避難所生活、長居は無用 環境も人間関係も過酷です

避難所生活、長居は無用 環境も人間関係も過酷です

水浸しの土地の夕暮れ

こんにちは。サーです。

北海道は、ほぼ一週間ぶりに青空が広がりました。ただ気温が低く、最高気温でも15度。農作物の成長が心配です。凶作にならなければいいのだけれど。全国的に最近は豪雨被害が報告されています。悲しいニュースに心が締め付けられる思いです。避難生活を余儀なくされている方もいらっしゃいます。

 

今回は、東日本大震災の一か月後に被災地に入り、過酷な避難所暮らしのサポートとして25日間ボランティアをした経験から、避難所での過ごし方、気を付けることなどをまとめてみました。たぶん、経験したことのない方は「本当かよ?」と思うことも多いかもしれませんが、これが現実。被災者の方は充分に気を付けて避難生活をしなければいけないことばかりなので、参考にしていただければと思います。

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①まずは避難所へ避難。これは基本。(被災後3日ぐらいまで)

身の危険を感じたり、避難情報が出たら迷わず避難所へ避難してください。

タイトルと矛盾しているように見えますが、第一段階としての避難は避難所が一番近くて安全。これに間違いはありません。わたしも避難を強く勧めます。避難しないでよいということではないので、その辺はお間違いのないように。一日二日なら、避難所で大丈夫です。周りの人々は多少冷静さを失っているかもしれませんが、「協力して乗り越えよう」という意識がつよく、お互いに思いやったり、譲り合う余裕があります。衛生に対する意識も高く、すぐに不衛生にはならないでしょう。

 

②長期化すると、ストレスが衛生面を悪化させる(被災後1週間以上)

避難生活が長期化すると、避難している人たちの間にはだんだんとストレスが蓄積されてきます。生活の立て直しに対する不安、満足に食事ができないストレス、復旧作業の遅れに対するいら立ち、被害の差に対するいら立ちetc…

毎日同じメンバーで、何もできず時間を過ごすということは、とてつもないストレスです。ストレスがたまった結果、注意力が低下したり、キレやすくなったり、思いやりの余裕がなくなったりしてきます。

わたしたちボランティアメンバーは、毎日作業が終わると自分で持参したテントで休みました。とても寒かったけれど、テントという周りと隔絶された、自分の時間を過ごせる空間は貴重でした。

共同のトイレが急激に汚くなるのもこのあたりからです。わたしはボランティア活動でトイレ掃除を担当したことがありますが、それはもうひどい有様でした。はっきり言って、トイレ以外の外で穴でも掘ってした方がよっぽどましだったかもしれません。あなたも、キレイなトイレならきれいに使おうと思いますよね?でも、汚いトイレだったら・・・。

女性や子ども、年配の方はトイレに行くのがつらくなり、我慢するようになります。これも体調を悪化させる原因になります。ストレスで注意力が落ち、それが衛生面にも影響してきます。

 

③ストレスのはけ口を求めるようになる(被災後10日以上)

避難生活が長期化し、ストレスをため込むと、それを発散しようとします。これはごく当たり前のことです。しかし、不自由な避難生活では、満足に発散できる場所や機会がありません。

そうなると、弱いものに向かうことがあります。残念ですが事実です。子どもに怒鳴り散らすようになったり、動きの遅い高齢者に罵声を浴びせたり、若い女性にむやみに付きまとったり。。。信じたくないかもしれませんが、実際に避難所で相談を受けました。

災害前の人間関係、特に上下関係が悪い影響を及ぼし始めるのもこのころです。物資の配分の優先順位が決められたり、分量が決められたりと、特に町内会などが仕切りだすと途端に表面化します。

災害情報のラジオを聞く電池に困っている人もいれば、電池式の充電器で充電しながら携帯ゲームをする人もいる。ボランティアのわたしが注意しても、立場の強い方はくれたんだからいいだろうと主張し、立場の弱い方からもあげたからいいんだ、よそ者があんまり口出しをしてかき回さないでほしい、と言われます。とても悲しく、悔しい事でした。

また、避難所内での盗難やケンカも多くなります。

わたしは、各避難所に臨時駐在所を設けるべきだと考えています。警察官が常駐するだけで、多くのトラブルが未然に防げるような気がします。

 

④「非常時だから仕方ない」バイアスがかかる(被災後1か月以上)

人々のストレスが極限に達し、心が壊れるのを避けようと、「諦める」という精神状態の人が増えてきます。避難所で窃盗に合っても、性犯罪に巻き込まれそうになっても、「非常時だから仕方ない」と被害を周りに知らせない人が出てきます。それによって、より犯罪が起こりやすい環境になってしまいます。

「やったもん勝ち」という人と「耐えるしかない」という人の二極化が進み、雰囲気は荒んできます。耐えきれずに半壊の自宅に戻ったり、エコノミー症候群の恐れがあるのに軽自動車で車中泊する人、別の避難所に移動する人、いろんな人が出てきます。ボランティアの車や、テントの中を荒らされたこともありました。

だんだんと救助隊やボランティアの存在が当たり前になり、依存するようになってきます。優しいだけのボランティアは、お茶くみ係やおつかい係になってしまったりします。

 

⑤まとめ なるべく早く避難所からは移動して、自分の居場所を

以上のようなことを考えると、一週間をめどに避難所からは退出し、自分の居場所を見つけるのが理想かと思われます。お金に余裕があるのなら、ウィークリーマンションやアパートを借りる。お金に余裕がなければ、被災地ではないところに住む親せきや実家に避難する、市営住宅や県営住宅への入居を検討するなど、とにかく行動してみてください。避難所で、何もできずにただ時間を過ごすよりも精神衛生上もいいです。

被災地には、ソーシャルワーカーのような、自立の相談に乗ってくれるボランティアも派遣されます。相談・利用してみてください。

 

⑥さいごに

このブログでは、被災者やボランティアを責めているわけではありません。しかし、これは事実であり、極限ではそうなるということを知ってほしいのです。

でも考えてみてください。被災者は、今までコツコツと積み上げてきたささやかな毎日を一気に崩されてしまったのです。平常心や、心に余裕を持てというのは、あまりにも酷なことではないでしょうか。

誰もが早い復興を願っているはず。だからこそ冷静に分析し、行動することが必要ですね。

 

新聞やマスコミは、「被災者が整然と並んでいた」「被災者とボランティアが協力して片付けしていた」など、美談ばかり報道する傾向にあります。しかし、現場ではそんなきれいごとだけでは進まない状況があるということを知っておくことも必要だと思います。

事実を知り、「自分は気を付けよう。」と思う人が増えれば、もっともっと日本人の災害に対する耐性は強くなります。日本人は逆境に強いとわたしも信じています。

 

次回は、災害時のボランティア活動の過酷さと、様々な問題について書いてみたいと思います。決してボランティア活動を否定するものではありません。むしろ、事実を知って、あなたがよりボランティアに参加しやすくなるように心がけて書きますので、読んでみてください。

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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